ヨーロッパ車の香り・・・(1)

      欧州車の原書を紹介

     倉田 伸治

筆者略歴

倉田伸治 Kurata Shinji

輸入車ディーラー勤務を経て、1996年に自動車の洋書を専門に扱う書店「モービルライブラリー」を東京・御茶ノ水に開業。イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの自動車専門書籍を多数輸入販売している。新刊の他、希少本、絶版本などを取り揃えヨーロッパ車の魅力を伝えている。

ご紹介書籍

CITROEN DS  L’AVANT -GARDE FRANCAISE

Roge Remond著/フランス語/159ページ/約29×24cm

価格:¥7,800(消費税込み)

140万台以上も生産された実用車でありながら、個性極まるキャラクターを持つクルマといえば、シトロエンDSがまず思い浮かびます。街で実車に遭遇しても、本の写真で眺めても、これほどスタイルやメカニズムの印象が強く、ひいては原産国フランスの風景や歴史文化さえも想像させられてしまう奥深いシトロエンです。また、DSに関する多くの賛美、先入観などが興味あるものを悩ませるのも事実でしょう。もし、貴方が少なからず興味をお持ちであれば一度は手に入れたい1台であるかもしれませんね。

 ここに紹介する本は、最近フランスで出版されたシトロエンDSの写真集です。フランスの書店(といっても扱っている店は限られますが)に並ぶ数種類のDS関連の書物のなかでも写真の質、資料性が優れている内容です。20年に渡り生産されたDSは幾度の進化の中で多数のバリエーションを生み出したことは有名ですが、本書では、最初期の極めてシンプルで美しいDS19から、最後を飾った高性能版DS23インジェクション、そしてブレーク、キャブリオレ、シャプロンが製作した特別なクーペなどの特徴的なディテールが収録されています。もうひとつこの本の魅力はDSの美しいオリジナルカラーを写した写真と印刷です。DSの独特のボディカラーをフランスの景色の中で引き立たせた写真家Etienne Crebessegues氏の仕事は見事です。

DSに関する本は、生産が終了した20年後の1990年代半ばあたりから、ヨーロッパ各国の出版社からリリースされ、現在では、写真集、歴史書、モータースポーツ記録、整備参考書など多数手に入ります。フランス語という壁を乗り越えれば、DSの本はやはりフランスのものが一番魅力的に映ります。クルマの本は、原産国のものが数多くの資料や知識、そして関係した人々が残っているからだと思います。

 いかがでしょうか、これから秋のひと時をこの本と共にDSのひと時を楽しまれては。

CITROEN DS  L’AVANT -GARDE FRANCAISE  表紙

 次号に続く

この本に関してのお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。

モービルライブラリー (自動車の洋書専門店)

ホームページ http://www.mobilelibrary.jp

メール motoring20kurata@s8.dion.ne.jp

電話 03-3818-6108

担当:(倉田伸治)

日本自動車博物館所蔵  CITROEN・famille

これぞシトロエン、どこから見ても奇抜で楽しく、フランスの大統領がこれに乗って現れると、
それだけでリーダたる凛とした雰囲気が出てくる。
DS21
1934年7CV・1953年11Bレジェ・1970年SM・1974年SM
映画の中のスター達、パリの香りから砂漠の勇者まで、役者の勢ぞろい。
1965年 2CV
フランスの合理性とセンスの良さ
DSに負けない個性を持ち、なんと1948年の発売から1990年の間に
124万台の生産、フランスの国民車となった。

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