ヨーロッパ車の香り・・・(3)

      欧州車の原書を紹介

     倉田 伸治

筆者略歴

倉田伸治 Kurata Shinji

輸入車ディーラー勤務を経て、1996年に自動車の洋書を専門に扱う書店「モービルライブラリー」を東京・御茶ノ水に開業。イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの自動車専門書籍を多数輸入販売している。新刊の他、希少本、絶版本などを取り揃えヨーロッパ車の魅力を伝えている。

ご紹介書籍

LA LANCIA

WimOude Weernink著/イタリア語/423ページ/約27.8×25cm

価格:¥8,000(消費税込み)

ランチアの歴史を紐解いてみると、優れたアイディアのメカニズムと洒落たスタイルのボディがすぐに思いつきます。貴方がヴィンテージカー愛好家であれば、そのデザインと細部のメカニズムが高いレベルで整合され、ランチアの魅力となっていることがお分かり頂けると思います。特に1920年代に発表されたラムダや1950年代のアウレリアなどは、これからも熱心な愛好家によって人気が支えられることでしょう。

 今回御紹介する本”LA LANCIA”は、ランチアの歴史を勉強する資料として一番にお勧めしたい本です。少々残念なことに英語版が早く絶版となり、ここにご紹介したのは比較的入手しやすいイタリア語版です。

著者のWimOude Weernink氏はオランダ人で、かなり前からランチアの愛好家、歴史研究家として有名な人物であり、ランチアに関する記述を数多くの専門誌に執筆した人です。

400ページ以上とかなりボリュームのある大作なのですが、内容としては創業当時の「アルファ」や「ベータ」から、最近の「デドラ」まで丁寧に写真付きで解説されています。

また、創業当時からモータースポーツも並々ならぬ力を入れ、タルガ・フローリオやミッレ・ミリアでも大活躍した当時の場面も詳しく触れています。

流石に古い技術的解説も豊富で、前途のラムダに採用されたモノコックボディやV型4シリンダ・エンジン等、1920年代に他のメーカーの技術をはるかに超越した技術を本書では当時の図面を基に解説しています。イタリア車の中ではフェラーリやアルファロメオほど目立ちませんが、ランチアの本質を知る意味で重要な1冊です。

 次号に続く

この本に関してのお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。

モービルライブラリー (自動車の洋書専門店)

ホームページ http://www.mobilelibrary.jp

メール motoring20kurata@s8.dion.ne.jp

電話 03-3818-6108

担当:(倉田伸治)

日本自動車博物館展示車

ランチア・ラムダ (1930年)
ランチア・フラビアクーペ(1968年)

                  以上

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