自動車遊び 追求人 星埜 道夫
person in pursuit of the pleasure of the car
筆者紹介
星埜道夫
略歴
1948年7月生 横浜生まれ 本籍:東京都
0歳~5歳 東京都町田市在住
5歳~中2 埼玉県さいたま市在住
中3~高3 栃木県宇都宮高校在籍
1974年~2008年トヨタ自動車株式会社在籍
・主に海外生産畑を担当、長く海外生活を送る
2008年~2016年 曙ブレーキ工業在籍
・研修インストラクターとして人材育成に活躍
2016年~ 自動車遊びに専念
・(小型高性能車大好きフリーク)
趣味
読書、音楽鑑賞、自動車遊び、モノ作り
会社時代のキーワード
着眼大局・着手小局
英国コヴェントリィ交通博物館訪問記
<冒頭言>
最近はウクライナにイスラエルと東欧から中東が世間を騒がし、大英帝国の面影が益々希薄化してきておりますが、自動車遊びとして外せないのが英国ミッドランド、その一翼のコヴェントリィ交通博物館を見てきましたのでご報告!
<コヴェントリィ>
コヴェントリィと言えば、産業革命の中心、第二次大戦でのドイツ空爆とか教科書を思い出しますが、車好きとしてはCoventry Climaxエンジンが思い浮かびます。
*ロータスエリートとFEWエンジン(もともとは消防ポンプ用)とクーパーT66と1.5lF1では無敵だったV8FWMPエンジン
<コヴェントリィへの交通>
ヒースロー飛行場から車で約100マイル一時間半ちょっとのドライブです。
<産業革命のサポート産業>
交通博物館の近くには、時計博物館(Watch Museum)とか、ビール醸造所博物館がありました。
*機械工業が発達すれば当然時計も作れるわけでその成り立ちが時計博物館で感じることが出来ました。
*面白かったのは「産業革命の労働者のエネルギー源の物語」です。産業を動かす前提として労働者の存在がありますが、産業革命以前の労働者層は満足な食事をとれていなかったとか。それでは工場を効率的にまわすことができなかったので経営者層は必要エネルギーの供給に腐心し、結果として「パン・マーガリン・ミルクティー」がその役に付くことになり、その一翼としてビールが供給されるようになったそうで、ビール醸造所とか色々なサポート産業が発展していったようです。
<交通博物館>
コヴェントリィ―市の中心近くに交通博物館が位置しています。
*この辺りは第二次大戦のドイツ空爆で跡形もなく破壊されたと記録されていますが、現在は新しく建てた昔風の建屋に囲まれています。博物館の入り口前の広場は車立ち入り禁止、裏側の駐車場に車を止める必要があります。
<主な展示:自転車>
入り口近くには自転車の歴史が展示されています。産業革命で機械加工産業が発達し、それを生かした自転車工場を起こした先駆者たちが工夫に工夫を重ねて現代に自転車に仕上げていった様がよくわかる展示でした。
<自転車発達の過程>
細かいことはともかく、展示を見て筆者が理解した自転車発達史
- 19世紀初頭に、まずはトライジーネと呼ばれた足蹴り型(現代の子供向けバランスサイクルの様に、ペダルがなく足で地面を直接蹴るタイプ)が生まれ、
- 「もっとスピードを」と言うニーズから見ショー式と言われた足踏み式(前輪の直径を大きくしてペダルで全輪を回すタイプ、当然座席が相当に高い位置になってしまう)が発明されたものの、乗り降りが不便かつ危険なことから余り普及せず、
- 駆動を後輪にしペダルと後輪をチェーンでつなぐ座席高さ改善型を経て
- ローバー型とよばれる現代式の自転車(チェーンと大小歯車ホィールを組み合わせ、座席が中間に位置する)の基本構造完成。
<二輪車>
自転車が出来れば、それにエンジンを載せたモーターサイクルが発達するのは当然、この博物館でも相当のスペースが割り当てられていました。残念ながらトライアンフを除いてほとんどが過去のモノとなってしまいましたが!(トライアンフも工場はタイにあるはず)
<地上絶対速度記録への挑戦>
1)Thrust2:633.468mph
2)Thrust SCC:763.035mph
<気になった車たち>
例によって筆者の独断と偏見で気になった車たちを載せます。
1)Alvis
2)プレスラインが気になる車たち
<考察>
産業革命の中心の英国コヴェントリィ市の威信をかけたような交通博物館、筆者は二輪車と四輪車を中心にしか見てこなかったけれど、イギリスと言うよりは大英帝国の威厳を感じさせる展示内容でした。
<本稿完>