自動車遊び 追求人 星埜 道夫
person in pursuit of the pleasure of the car
ポルシェ博物館
定番ポルシェ博物館に行ってきました。今まで二回見学しています。 スポーツカーと言えばポルシェ!その歴史を凝縮したのがシュツットガルトのポルシェ博物館。
シュツットガルトの市街から北西方向に位置しています。東北東にはベンツ博物館。飛行場が南の方向に位置しています。ポルシェとベンツの城下町ですね。
車で行くのも便利ですが、鉄道も便利でシュツットガルト中央駅からS6路線で15分ほどで到着します。マーレとかボッシュとか部品メーカーの工場を沿線に見て目的のNeuwirtshaus(Porsche Platz)駅に到着です。
駅から徒歩5分、博物館そのものはポルシェのツッフェンハウゼン工場と道路を挟んだ反対側、「ポルシェセンターシュツットガルト」もすぐ横にあります。下の写真の左側がポルシェセンター、右側がツッフェンハウゼン工場で、右側にフレームアウトしたところが博物館です。
1.博物館建築様式が素晴らしい
建築デザインの粋を凝らした白亜の建物が博物館です。この建物の構造を理解しようとしばらく眺めてみましたが、近すぎてよくわかりませんでした。インターネットで拾った正面図と上面図で何とか分かったような気になりました。
2.展示:ポルシェ以前(ポルシェブランド以前のポルシェ博士が関係したモデル)の展示
戦車とかトラクター、アウトウニオンのグランプリカーとか、フェルディナント・ポルシェの絡んだ製品がありますが、私が見学した時には以下の4モデルが気になりました。
*左上:アウストロ・ダイムラーの消防車、
*右上:同レースカー、
*左下:ベルグマイスター、
*右下:チシタリアGPカー。
3.展示:ポルシェ一号車
Type64 1939年ベルリン-ローマレース用 戦後「Porsche」のバッジを付けられ、「Porsche」名前を冠した最初のモデルと言われているそうです。軽量・空力・実用性など今のポルシェの特徴が既に盛り込まれていて感動しました。
Type356/1 : 生産No.1ロードスター・もう完璧にポルシェです。
4.展示 : 歴代Porsche356
356もロードスターとかクーペとかのバリエーションとPreA、A、B、Cと展示されています。当たり前ですね。
顔つきも良いですが、お尻もうれしくなりますね。
5.展示 : 初期レースモデル カレラGTSアバルト
イタリアのアバルトとのコラボレーション1960 Porsche 356B Carrera Abarth GTL(上)、1961 356B 1600GS Carrera GTL Abarth(下)。私にとっては高品質のポルシェはちょっとストィック過ぎて、軽快さのあふれる南欧のアバルト(ご本人はオーストリア生まれですが)の方が肌に合うのですが、その両方を兼ねた理想のDNAモデルです。
6.展示 : 日本グランプリで話題となった二台
1963第二回グランプリ式場壮吉の904GTS、1966第3回グンプリ滝慎太郎、1967第4回グランプリ生沢哲と酒井正のバトルなどに日本でも話題になりました。
7.展示 : 変わり型 C88中国プロト、928-H五人乗りプロト
*上側は1994ポルシェC88・アジアカー(中国向け)大衆車プロトタイプ : 今でこそブッチギリで世界第一位最大の自動車市場の中国ですが、1994年当時は未だモータリゼーションの庸明段階、中国政府の要請で設計された1100ccの大衆車プロト。
*下側5人乗り928 S4―Long プロトタイプ : 356・911でも何回かトライされた四人が乗れるPorscheのプロトタイプの一台。結局パナメラで実現したことになりますね。勿論SUVのカイエンが先行していますが。
8.展示 : 飛行機エンジン、小型クーペスージー、オリジナル・ボクスター
*右上 : トヨタセルシオのV8エンジンが軽飛行機用に開発されたことがありますが、軽飛行機用の911Boxer6も展示されています。
*左上 : ディズニーのカーズのスージー
*下 : ライトウエートスポーツ356の再来と期待されたボクスターのオリジナルプロトタイプ。小粒でキュート!お財布も含めてポルシェが大変身近に期待できたのですが、結局発売されたのは911彼らのミッドエンジンバージョンみたいな3400ccスポーツカー。でもこの頃ポルシェは経営危機だったんですよね。
9.展示 : 大きくなっていく911
ライトウエートスポーツカーもユーザーの富裕化と安全などの規制強化でどんどん大きくならざるを得ないようで、それを印象付ける展示がありました。
形式 |
901 |
993 |
996 |
997 |
991 |
発表年 |
1963 |
1993 |
1997 |
204 |
2011 |
全長 |
4163mm |
4245 |
4430 |
4425 |
4491 |
全幅 |
1610mm |
1730 |
1765 |
1810 |
1808 |
全高 |
1320mm |
1300 |
1305 |
1310 |
1303 |
排気量 |
1991cc |
3600 |
3387 |
3597 |
3436 |
重量 |
1095kg |
1370 |
1320 |
1440 |
1350 |
9.展示 : レース成果
勝ち続けるポルシェならではの展示。実物を使った年表?なんてポルシェ以外には難しいでしょう。
10.ポルシェ・クラシコ
博物館一回の入口奥にはクラシックポルシェ専門のガレージ。最近日本にもできたようですが、初期の356からレースカーまでガレージでサービスをされていました。見学者はガラス越しに見学出来て夢心地になれること受けあいです。
11.レストラン
ボリュームたっぷり、フロア係のお嬢さんも魅力的。お客さんがゆったりしているのか日本の博物館のレストランでは味わいにくい実質的かつゆったりした食事が楽しめました。
12.ツッフェンハウ工場
予約が必要ですが工場見学もお勧めです。ライプツィヒ工場計画時に廃止の話もあったそうですが、ポルシェファリーの決断で生き残ったとの説明。GT3/4など特殊モデルも同じラインを流れていました。トヨタの支援でリーンプロダクション方式も導入したとのこと。日本の工場を知っている方には少しイメージが薄れそうな気もする工場でした。
本稿完